ECMOトランスポートを実施しました
救急科の久野です。
鹿児島でも朝晩肌寒い日がでてきました。
そろそろ長袖の出番でしょうか。
先日、OCCET(Oosumi Kanoya Hospital Critical Care & ECMO Transport Team)発足第一号となるECMO装着患者様の転院搬送を実施しました。
今回は肺の疾患をお持ちの患者様で、VV-ECMOと呼ばれる体外循環による呼吸補助を行っている方の搬送でした。
当初陸路での救急車搬送を検討しましたが、陸路でいけば2時間かかる道のり、加えてECMOが縦揺れに弱い機材のため、空路搬送となりました。
鹿児島県はドクターヘリではECMOを搬送することが出来ないため、防災ヘリコプターの出動を依頼しなければならず、所轄の消防や県防災航空隊との調整も必要になります。
体外循環装置を装着したままでの搬送は、添乗する医師、予定調整担当のソーシャルワーカー、行程調整や積載重量管理担当の救急救命士とコーディネーター看護師、ヘリへの搭載を安全に行えるよう点滴の整理や薬剤の整理を事前に行う病棟看護師、ECMOや人工呼吸器をはじめとるす医療器材の準備や搬送後の当院までの返却方法を調整する臨床工学士、添乗後の医師を回収し病院に戻る回収担当の車両課、どこに齟齬があっても患者様の安全が守れなくなるため、2次救急の病院としては高度な業務です。
搬送前日の午後に桜島が噴火し、少量ながら降灰があったため、当日は朝一番にヘリポートの散水作業を実施。防災ヘリのダウンウォッシュに備えます。

朝のヘリポートチェックで灰がうっすらつもっており、この後散水作業です。
今回は、鹿児島県防災ヘリ「さつま」が運休中だったため、隣県の宮崎県から「あおぞら」に来ていただきました。
ECMOと人工呼吸器、酸素ボンベに輸液ポンプなど、とにかく機材が多いため、人海戦術で確実に運びます。

ストレッチャー左右で機器の支えが必要なため、人海戦術です
一番気を遣うのが、ストレッチャーをヘリに乗せる瞬間です。
勢いがついてしまうので、患者機器が外れないよう、細心の注意を払います。

ヘリへの乗せこみ、この瞬間が一番危険で、注意を要します

最終確認中です
添乗医師と防災航空隊員で最終確認中ですが、ヘリのエンジン音でほとんど会話はできません。
事前に機内配置の想定とシミュレーションが必要になります。
離陸後は大きなトラブルも無く目的地に着陸、患者様の容態も安定したまま先方への引き継ぎができました。
防災ヘリコプターは着陸から離陸までエンジンを止められないため、近隣住民の皆様には早朝からご迷惑をお掛けしました。
患者様の搬送が無事完了しました事をご報告しますとともに、ご協力に感謝申し上げます。
また、肝属消防指令課・鹿児島県防災航空センター・宮崎県防災航空隊の皆様には、当県防災ヘリの運休中という状況の中、多大なご協力を頂き、ありがとうございました。