医療法人徳洲会 帯広徳洲会病院

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掲載日付:2024.03.15

心電図伝送システム、搭載しました

 救急科の久野です。
 寒い日とポカポカ陽気の日がランダムにやってきて、体にこたえる今日この頃ですね。
 41歳男子の久野もオデコの肌荒れに悩んでおります。

 近隣の消防救急隊にはすでに搭載していただいているシステムなのですが、心電図を現場から病院に伝送できるシステムがあり、遅ればせながら病院所蔵の救急車にも搭載しました。
 心電図伝送システム自体はいろいろな会社がだしていて、モニターや除細動器と一体型になっているものもあるのですが、当院と近隣消防さんが搭載しているのは、スマートフォンやタブレットを使用して十二誘導心電図はもとより、現場で撮影した画像の転送も可能なシステムです。

 



 揺れている走行中の救急車内でも、揺れ補正を自動で行い、かなりクリアな心電図が取れ、実際に使ってみてビックリしました。
 出動先で心筋梗塞や不整脈を早期に検出し、現場で対応することはもとより、病院での受け入れ準備も迅速になります。
 また、「心電図上は心臓の病気は否定的」という所見を得ることも、病院で待機している医師の検査方針に影響します。

 より素早く、より正確な早期医療介入にむけた整備が進んでいます。

掲載日付:2024.03.09

DMORT研修を受けてきました

 救急科の久野です。
 DMAT派遣から戻って以降、更新が途絶えましてすみませんでした。
 今日は災害支援活動の中でも、近年注目されつつあるDMORT活動について、養成研修をうけてきましたのでご紹介です。

 DMORTは多数死亡者が発生した災害現場で、警察と協力して家族支援を実施する医療チームです。
 今回の能登半島地震ではマスコミにも取り上げられましたので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
 欧米ではメジャーなチームで軍隊にも専属がいるくらいですが、日本での認知度はまだ低いです。

DMATとは違うロゴ、ベストも緑を着用します。



 我々救急の世界では、尼崎で発生した列車脱線事故は、「日本で初めてトリアージが公式に実施され、成功を収めた事案」とされています。
 ただ、その陰で、搬送待機群・救命措置待機群、いわゆる”黒タグ”を付された傷病者のご家族ケアには不十分で、その反省と問題提起から発足したのが日本DMORTです。
 
 医療従事者として”傷病者の手当て”にあたることは当然なのですが、災害という特殊環境の中、平時であれば全力で救命にあたれるのに”待機群”とせざるを得ない状況は多々発生し、そのご家族のケアに当たることも災害時の医療従事者の大事な仕事でもあります。
 また、被災現場や病院だけでなく、安置所においても、なぜ亡くなったのか、最期はどうだったのか、医療の専門家ではない警察からの報告だけではなく、医療知識を持った支援チームからの情報提供は、ご遺族となられたご家族にとってとても大切なことです。

 警察、消防、医者、看護師、カウンセラー、薬剤師、お坊さんと本当に多職種が参加する研修でした。
 ロールプレイでは涙が止まらなくなってしまう受講者もいて、ハードな研修ではありましたが、気づかされることも多い1日でした。

大分看護科学大学から黒エリアの研修ビデオをご提供いただきました。


 
 当院でも災害実動訓練に”黒エリア”を設けていましたが、運営については模索している状況でした。
 ”赤エリア”で救命に全力を尽くすのは当然ですが、赤エリアがあれば”黒エリア”への傷病者も出てしまいます。
 今回の研修内容を取り入れ、受け入れた傷病者皆さんに適切なケアができるよう、態勢を整備していこうと思います。

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