腹腔鏡下胆嚢摘出術について

外科前田 裕子

胆嚢結石症とは胆嚢内に石ができた状態です。原因は様々ですが、胆嚢が胆汁を濃縮する際にコレステロール等が結晶化して石ができると考えられています。胆石があると以下に挙げる様々な合併症が起こる事があります。胆石発作(はげしい腹痛・嘔吐等)、胆嚢炎(炎症が強いと壊死性胆嚢炎や敗血症、破れると腹膜炎)等があります。

また、胆管に石が落ちた場合には、胆管炎(炎症が重症化しやすく敗血症を起こし易い)、石により胆管が閉塞されると閉塞性黄疸(胆汁の流れが塞き止められ身体が黄色くなる状態)を起こす事があります。さらに以前は胆石があると胆嚢癌の発生率が高くなるとの報告もありました(現在は否定的)。

しかし、石があると胆嚢癌を見つけにくく発見が遅れる事があるとも言われています。一般的に無症状胆石は治療不要で、症状のある胆石に対して治療を行います。治療には内服治療、胆石破砕、手術の方法があります。内服療法は胆石溶解剤を服用し胆石が溶けるのを期待するものですが長期内服が必要であり再発も多く効果は20%程度と低いです。

胆石破砕は石を細かく砕いても胆嚢よりうまく出ることは少なく最近ではほとんど行われていません。現在では胆石を含んだ胆嚢ごと摘出する手術が胆石症に対する最もスタンダードな治療法です。しかし確実性の高い治療法ですが、全身麻酔が必要である事、合併症が起こりうるという問題点もあります。

手術には、開腹手術と腹腔鏡手術がありますが、最近では腹腔鏡手術(腹腔鏡下胆嚢摘出術)が主流となっています。当院では図の通り臍に1.5cm上腹部に0.5cm ・0.3cm ・0.2cm の創で行っています。一般的な病院よりも小さな創で行っています。臍部の創よりカメラ(腹腔鏡)を入れ、お腹の中に炭酸ガスを入れて腹腔内を膨らませ臓器を見易くし、小さく細い機械を使って手術操作を行い胆嚢を体外に取り出す手術です。

全身麻酔下で行い、手術時間はお腹の状態にもよりますが1~2時間程度です。術中・術後に起こりうる合併症には出血・胆管損傷・胆汁漏等がありますがこれらの合併症が起こる事は稀です。胆嚢の炎症が非常に激しい症例や上腹部の手術歴がある症例では腹腔鏡手術が手技的に困難で開腹手術に移行することがありますが、より安全に手術を行う為ですので御理解頂きたいです。合併症等なければ最短1泊の入院で治療が可能です。

当院では日帰り手術センターにても行っておりますので気軽に御相談下さい。