顎関節症について

口腔外科川﨑 大生

口を開けると痛い、口を開けたり閉じたりすると耳の近くに「カクカク」「ジャリジャリ」と音がする、物を噛むと痛い、口が開かない、朝起きるとアゴがだるい、あくびをした時「ガクッ」と音がしてアゴがはずれたような気がする…こういった症状に身に覚えはないでしょうか?恐らくかなりの人は一度くらい経験があるのではないでしょうか。「ガクカンセツショウ」という言葉、聞いたことはありませんか?

顎関節症とは?

前述のアゴを動かした時の痛みや雑音、口が開かないなどといった症状として現れるアゴの関節付近の異常をいい、突然気づく場合もあれば徐々に気づく場合もあります。

原因はなに?

日常ひそんでいる何気ない癖や動作、あるいは噛み合わせやアゴの形など、様々でこれといってはっきりしないことの方が多いのですが、具体的に例を挙げると「歯ぎしりをする」「いつも片方でばかり食べる」「ボーっとしている時に気づくとくいしばっている」「前日に堅い物をいっぱい食べた」「カラオケで歌い過ぎた」…などがあります。

顎関節症の種類

先ほど「アゴの関節付近の異常」とおおざっぱに説明しましたが医学的には次の5つに分けられます。,/

  1. 関節周囲の筋肉に炎症がある場合
  2. 関節周囲の靭帯・膜に炎症がある場合
  3. 骨と骨の間のクッション(軟骨)に異常がある場合
  4. 骨に異常がある場合
  5. ①~④のいずれにも該当しないが関節周囲に症状があり心因的影響が強い場合

以上のタイプは複合しておこることもあり正確な診断が不可欠で、タイプ別・症状別・病期(どれくらい症状が続いているか)別に治療法を選択する必要があります。そして正確な診断の手助けとしていくつかの検査法があります。

主な検査

最も重要な検査は問診です。検査ではないのですが、いつ頃から・どういう時・どこが痛いか…などがわかることで非常に多くの情報を得ることができます。また口の中を診査して強くあたっている歯がないか、他に炎症がないかなどチェックします。さらにはレントゲンで骨に異常がないか検査をして必要ならMRI検査で軟骨の状態を診たりします。いずれの検査も痛みを伴うようなものではありませんので安心して受けて頂けます。

治療法

症状によっていくつかの治療法があります。一時的な炎症であればお薬(内服薬や軟膏)を使用することもありますし、スプリントというマウスピースのようなものによって関節周囲の筋肉や軟骨の調和を図ったり、過度に強くあたる歯があれば噛み合わせの調整を行ったり、長期間口が開かず治療にもあまり反応しない場合には直接関節の内部を注射器で洗浄する方法もあります。以前は外科的に関節や軟骨の形を整える手術が頻繁に行われていたのですが現在では積極的に手術するよりも今ある症状をやわらげるといった保存的治療を行うのが主流です。

顎関節症は恐ろしい病気ではなく日常的に起こりうるものです。最近アゴの調子があまり良くないなと感じたら、あまり怖がらずに早めにお近くの歯科医院や口腔外科で相談してみましょう。おいしく楽しんで食事するためにも、おもいっきり笑うためにも、歯医者さんで歯の治療をうけるためにも口が大きく開くことは大切なことですよ。