言葉は大きな力を持っている

前ページで紹介されておりますが、新入職員対象の合宿研修の中で、「話し方講座」を担当させて頂きました。

なぜ、「話し方講座」を開いたのでしょうか?

新人として入職しても、翌年には後輩が出来、後輩を指導する立場になっていきます。また、人前で発表や報告をする機会も回ってくるようになります。日々の患者さんとのコミュニケーションも話すことが主体です。医療従事者にとって、話すことはとても大切なのです。

しかし、「話し方」を習ったことがある人はほとんどいません。今回の受講者の中で「話し方」や「プレゼンテーションの技術」を習ったことがある人は一人もいませんでした。私自身、人前で話す機会が増えてきたことをきっかけにプレゼンテーションの講座を受講するまでは、体系だって学んだことはありませんでした。

「話し方講座」は話し方の基本から始まり、①自己紹介 ②忘れられない出来事 ③今までで一番楽しかったこと の計3回、全員に実際に話をしてもらいました。その中でアイコンタクトやジェスチュアの使い方も学んでいくという流れでした。

講座の最初に「人前で話すのが得意な人は手を挙げて」と言っても、誰も手を挙げませんでした。しかし、それぞれが自分の体験・経験をもとに話を進めていくのを聴いていると、どの話も続きが聴きたくなるような面白い話ばかりで、あっという間に4時間が過ぎてしまいました。まさに「事実は小説よりも奇なり」でした。

サッカーワールドカップで日本代表監督を務めた岡田武史監督が文藝春秋10月号の中でこう語っています。

「人を動かす時には指揮官がとる戦術やシステムばかり話題になりがちですが、もっと大切なのが言葉だと私は信じています。古くから言霊といわれるように、言葉は大きな力を持っています。言葉を頭で学習するだけでは選手は変わりませんが、言葉で心を打たれた選手はがらりと変わります。言葉なんてたいしたことないという人もいますが、とんでもない勘違いだと思います。」

「話し方講座」の中で見せてくれた生き生きとした表情、感情が伝わってくるジェスチュアを忘れずに、良い言葉で後輩達を指導できるようになってくれたら良いな・・・と思いながら講座を終わりました。