プロフェッショナリズム〜指導医はいつも見られている〜

“プロフェッショナリズム”という言葉を聞いたことがありますか?

もちろん、”プロフェッショナル”という言葉は聞いたことがあるはずです。では、プロフェッショナリズムとは何でしょうか?今回は”医師のプロフェッショナリズム”について考えてみたいと思います。

プロフェッショナリズムは1990年代後半から医学教育において強調されてきた概念です。その内容は専門職業人である医師が持つべき態度、価値観、生き方、技能など多岐にわたりますが、簡単に言うと”医師としての生き様””医師としての有り様”ということになります。

プロフェッショナリズムの要素として、どのような事項が大切か、全米の医師からアンケートを取り集計されたものが発表されています。大切だと意見が多かった事項から順に、①利他主義、②責任、③敬意、④誠実、⑤倫理規約に従うこと、⑥生涯学習、⑦正直と続きます。

また、大きく分類すると①対人関係、②社会から求められる能力、③個人の意識の3つになります。

対人関係としては、利他主義、誠実、奉仕、正直、リーダーシップが挙げられます。

社会から求められる能力としては、責任、倫理、モラル、高い専門的技能、専門職としての振る舞いが挙げられます。

個人の意識としては、生涯学習、道徳観、成熟、ストレスへの対応が挙げられます。

このようなことは教育可能なのでしょうか?長年かかって作り上げられた個人の性格であって、後から修正出来るものでは無いという考えもあるかと思います。しかし、医師としての成長に伴って、また成熟に伴って修正可能な部分も確実にあると言われています。

その一見教育困難とも思われるプロフェッショナリズム教育の現場では指導医の存在が非常に大きくなります。困難な状況の中で、指導医がいかに患者さんと接したか、指導医がいかに研修医に接したかが次世代のプロフェッショナリズムとして受け継がれていきます。指導医はいつも見られているのです。

幸い当院には救急車を断らない文化、CPRが必要な際にはとにかく皆が駆け付ける文化があります。上の者が下の者を教えるのは当然という文化もあります。これらを我々指導医が常に現場で実践することは、1000の言葉を重ねるよりも教育効果が高いはずです。「こんな医師であって欲しい」と研修医に求めることを自ら実践することが、最も心に届く教育になるのです。