この1年ありがとうございました

2009年12月31日
この1年ありがとうございました
研修委員長 田村幸大

今年一年、当院の臨床研修に御協力いただき本当にありがとうございました。なぜか病院ホームページではGoodresident12月号を見る事が出来ないので、12月号に掲載した原稿を一部改編して掲載させて頂きます。

「みんなで見た夢の結末」

早いもので2009年も終わります。来年は今年以上に多くの研修医が集りますので、さらに皆さんにお世話になりますが、よろしくお願い致します。

この1年は当院の臨床研修の中で歴史に残るような出来事がいくつもありました。以下、記憶をたどってみたいと思います。

1.定員6名に増えたにも関わらずフルマッチ

過去最高3名の採用にとどまっていた事、全国的に見れば本当に交通アクセスも悪い田舎にある病院である事などを考慮すると奇跡的です。徳洲会グループ33研修指定病院の中でも6番目に多いマッチ者数でした。「こんな田舎に来てくれる医学生がいるはずが無い」という声も耳にしますが、「良い研修を提供すれば環境は克服出来る」という事が証明されました。

2.卒後臨床研修評価で4年認定

見学の学生が増えて来た事、研修医が少ないながらも続けて入ってくるようになった事によって、自分達の臨床研修は良くできていると驕りが生じつつありました。第3者評価を受ける事で、不足している点を改善しつつ、良い点を伸ばしていく事に繋がると考え受審しました。準備過程の苦労は大きかったものの、4年認定という非常に良い評価を頂きました。
なお、卒後臨床研修評価の受審は鹿児島県初で、先日の鹿児島県初期臨床研修連絡協議会では非常に高い評価を頂きました。

3.振り返りレポートの定着、他病院への拡がり

昨年12月から取り組み始めた「振り返りレポート」も気付いたら1年が経っていました。このレポートについては機能評価のサーベイヤーからも非常に高い評価を頂きました。また、臨床研修指導医講習会でもたびたび紹介させて頂き、静岡徳洲会病院でも導入されました。当院で始めた取り組みが拡がっていきつつあります。

4.臨床研修修了式の開催

臨床研修で一番大切なのは研修医自身の研修に取り組む姿勢である事は間違いありませんが、それだけでは研修は成り立ちません。時間を割いて指導に当たる指導医、研修医の診療をサポートしてくれるコメディカルの存在抜きでは成り立ちません。さらに研修医の診療を受け入れてくれる地域の理解も必要です。一人で成長出来る訳では無く、多くの人々の直接的・間接的な支えの末に成長できているのです。そのような中、研修医の成長した姿を見て頂き、みんなでお祝いをしようという事で研修修了式を企画しました。幸い多くの方に参加して頂く事が出来ました。

5.初のクリニカルクラークシップの受け入れ

鹿児島大学医学部6年生が1ヶ月間、クリニカルクラークシップで当院で研修されました。当院としては初の受け入れでしたが、2年次の有留先生を中心に多くの先生方に熱い指導して頂きました。

6.研修委員長に悪性腫瘍が!→自然に縮小

最後に私事ですが、2月末に頭蓋底腫瘍が見つかりました。一時は三叉神経の障害を伴い経口接種が困難となり左顔面の感覚消失を合併しました。悪性腫瘍の疑いが高く手術予定でしたが、手術2日前に撮影したCTで腫瘍性病変が縮小していたため、手術キャンセルとなりました。患者体験をする事が出来たと同時に健康でいる事の重要性を再認識し、3年ぶりに走る事を再開しました。「まだまだたくさん仕事をしなさい」と神様からチャンスを頂いたのかと思います。

まとめ

私は卒後臨床研修評価機構のサーベイヤーの資格を取得したので、先日とある病院にサーベイに伺いました。その時、印象的だったのは、受付でサーベイヤーとして来院した旨を伝えたところ「聴いておりませんが、確認してみますのでお待ち下さい。」と言われ、そのまま10分ほど待ちました。当院では全職員に機能評価の受審日である事が周知され、病院全体で機能評価に臨む姿勢が出来ていた事を考えると、新鮮な驚きを覚えました。同時にこの事が臨床研修における当院の飛躍の秘訣だったのかと気付きました。

オノ・ヨーコは「ひとりで見る夢は夢でしかない。しかし誰かと見る夢は現実です。」と語りました。

私たちは「大隅鹿屋病院を良い研修病院にしよう。そして多くの良い医師を育てよう。」という夢を見てきました。一人では無く、研修に関わる多くの人達が一緒に見た夢だったから現実になったのだと気付きました。

来年は新病院の着工も控えております。来年もみんなで大きな夢を描きましょう!


最近の1週間

2009年12月30日
最近の1週間
教育管理部 臼井之枝 

今年も明日で最後となります。
1年はあっという間に過ぎて行きますね・・・
最近、私はブログに参加していなかったので、最近の研修医情報をお伝えしたいと思います。

少し遅くなりましたが、24日クリスマスイブに研修医の先生方と一緒にケーキを食べました。
田村先生からのクリスマスプレゼントです。
去年も、2種類のケーキを購入して皆で食べようと準備していましたが、結局、皆バラバラで食べた思い出があります。
それは・・・
去年の24日の外来が多く、夕方まで診察をしていた田村先生。
お昼ごはんも食べずに診察をしていたので、先に食べちゃったんです!
食べてすぐに、関連病院へ当直の応援へ・・・・
今年こそはと、夕方外病院で研修中の有留先生も夕方合流して、一緒に食べました。
勿論、2種類のケーキは循環器内科の辻先生のご実家のケーキです!

久しぶりに、少ない人数ですが揃った研修医の先生方と色々な話をしながら食べました。
『美味しい!』と何回言ったことでしょう。 DSC01418

ケーキの匂いにつられて?? 少し遅れて有馬先生が、部屋へ。
あっという間に、ケーキは無くなります。。。。。
皆さん、見事な食べっぷりでした。
私の感覚からすると、男性は甘いものは嫌いなはずでは??
しかし、田村先生を始め、研修医の先生達はみんな甘いものが大好きです。

私達職員は、今年は院長先生の計らいでケーキが届きました。
とても嬉しかったです。
美味しく頂きました。(院長先生、ありがとうございました)

12月で有留先生は、小児科研修修了。
江口先生は、整形外科修了。
本当に早いです。
江口先生は、昨日、整形外科の処置があり、それを木村先生がビデオ撮影・・・・
今朝、SEさんにお願いをして、パソコンに取り込んでもらいました。
江口先生が編集したら、皆さんにもお見せ出来ると思います。
私は、撮影ビデオを見て、江口先生、凄く成長したんだなと実感しました。
本当に、とても良い指導医の先生方ばかりで、研修医の先生方は幸せだなと感じました。


緩和ケア研修会

2009年12月29日
緩和ケア研修会
2年次研修医 江口徹郎

久しぶりにブログを書きます・・・・

医療センターの産婦人科・小児科研修中の時のことなのですが、
「緩和ケア研修会」というものが開催されました。
http://www.pref.kagoshima.jp/hospital/kanoya/oshirase/topics.html

「がん対策基本法」と言えば、第164回国会で故山本孝史議員が早期成立を訴えたことで有名です。
その「がん対策基本法」に基づき、各都道府県のがん対策計画の基本となる「がん対策推進基本計画」が閣議決定されました。
その「がん対策推進基本計画」では
「すべてのがん診療に携わるわる医師が研修等により、緩和ケアについての基本的な知識を習得する」
ことが目標として掲げられています。DSC01327
これに基づき、厚生労働省は「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開催指針」を制定しました。
この指針に基づき、地域のがん診療連携拠点病院で
「がん診療に携わる医師が緩和ケアについての基本的な知識を習得し、治療の初期段階からの適切な緩和ケアの提供体制を整備することを目的とする緩和ケア研修会」
を開催するわけです。

日程は下記のURLで確認できます。
http://www.pref.kagoshima.jp/kenko-fukushi/kenko-iryo/seikatusyukan/cancer/kanwa-k.html
来年度入局する研修医の皆さんも、チャンスがあれば受講希望してみると今後の為になると思います。

私も疼痛時のアセトアミノフェンやオピオイドの投与量は勉強になりました。
また医師役、患者役等のロール・プレイも味わうことが出来ます。
私にとっては研修がもうすぐ修了するという時期ではありますが、医師としての経験は先輩研修医からすると全然無いに等しいのでとても貴重な体験となりました。

将来の専門とする診療科に関わらずこういった勉強はとても大切だと感じました。
これからも残りの研修頑張ろうと思います!


嘘をつく方法も覚えましょう

2009年12月24日
嘘をつく方法も覚えましょう
救急部長 木村圭一

悪い本も読まないと良い本かどうか判断できないと言う意見があります。

同じように嘘をつく方法を知らないと、正しい事は言えないとも言えます。かなり強引ですかね(^_^)。

今回は嘘をつく方法を少し勉強しましょう。と言っても、本の宣伝です。かなり古い本ですが「統計でウソをつく方法」(ブルーバックス)と言う本です。是非読んでみて下さい。女性にウソをつく方法については、人生経験豊富な院長に習って頂ければ幸いです。

ちなみに、世の中にはウソが3つあるそうです。
・政治家の公約
・医者の大丈夫ですよ!
・統計

それからもう一つありました。院長の絶対大丈夫!!でした(^.^)。

統計でウソをつく方法はいくつかあるのですが、一例を挙げます。本の引用です。

「米西戦争の間、米軍の死亡率は1000人につき9人であった。一方、同期間のニューヨーク市における死亡率は、1000人につき16人であった。さて、米海軍の徴募官たちは、最近、この数字を使って、海軍に入隊した方が安全だと宣伝していた。」

これは二つの意味でウソがあります。

1000人中9人と16人は0.9%と1.6%です。型のごとくNNTにしてみると、死亡率が0.7%下がったと言う事で、1÷0.7×100=142.86です。約143人の人が米軍に入るとそのうち一人が死亡せずに済むと言う訳です。残り142人はほとんど死にませんし、死んだとしても運命だと言う事です。この数字が統計学的に意味があるかどうか、、、、

それから比較するデータの背景が異なります。軍隊に入るような人は若い男性でしょう。ニューヨークには女性もお年寄りも、病気の人も多いでしょう。単純に比較してはいけません。

が、こう言った事を知っていれば、逆にだます事は簡単です。

また検査でだまされる事もあります。だまされないためには検査でだます方法を知っていなければなりません。

例えば、血糖が100と言う結果が来たとします。血糖は1日何回も測りますので、6時間後は110だったとします。血糖が上がってきているので、注意!!と考えるべきでしょうか?

これは精度管理と言う事から分かります。正確に糖が100と言う液体を作り、それを例えば100回測ると、全て100と出る訳ではなく、時には90となったり、110となったりします。誤差の範囲ですね。これが±1ぐらいであり、例のように血糖が100から110になったとすればかなり高くなったと考えても良いですが、±10ぐらいであれば、最初の100は90から110の間の可能性が有り、次の110は100から120の可能性があると言うことです。よってあまり変わっていないと考えるのがベターでしょう。
以下によれば、血糖は±6mg/dlあるいは10%とあります。
http://www.sysmex-tmc.co.jp/cd/rinsyou/demo/I/HTML/001.htm

以上のようなことを使って、同じ現象でも使い分けることが可能です。
血糖が前回150だった患者さんが、今回160だったとします。

真面目な患者さんには、これは誤差の範囲であり、前回と変りないですよ〜、よく頑張っていますね!このまま頑張りましょう!と言います。

不まじめな患者さんには、最近はたまたまこの値だったと思われ、血糖が10も上がっています!もう少し頑張りましょう!!と言います。

先日クレアチニンの値が0.5ぐらい高く出てしまったようで、確かに受け持ち患者さんのクレアチニンが高かったです。クレアチニンは0.3mg/dlぐらい誤差があるようですが、、、、検査データに騙されて、精査をしようと試みてしまいました。


鹿児島県初期臨床研修連絡協議会

2009年12月22日
鹿児島県初期臨床研修連絡協議会
研修委員長 田村幸大

久しく原稿を書いていなかったのですが、木村先生8割+江口先生1割+臼井さん1割+有留先生少しという状況になっているため先日の出来事を書きます。

12月19日に鹿児島県初期臨床研修連絡協議会が開催されました。
これは鹿児島県内で研修する研修医が減っているため、県内の14研修病院が連携して研修医を集めようという事で今年発足しました。

その会議の中で、今年6名のフルマッチを達成した当院の取り組みを発表するよう依頼をされておりました。
発表に備えてスライドを準備しましたが、何と会場に着いたらプロジェクターがありません、、、口頭で発表するしか無い状況になりました。動揺している暇も無いため、スライドで準備していた内容を急いで頭に入れて口頭で話す事にしました。配付資料として、"Good
resident"、振り返りレポート、卒後臨床研修評価の資料の3点を準備していました。

ちなみに当初のスライドは以下のような順番で話す予定でした。

題:研修病院としての成長の軌跡 ~環境は克服出来る~

1.病院の見せ方
2.実習生の受け入れ:この部分は有留先生のスライドを流用
3.院内への周知:Good residentや研修進級式の紹介
4.採用者の内訳
5.手作りの工夫:振り返りレポートについて
6.第3者評価:卒後臨床研修評価について

口頭でほぼ同様の流れで説明しました。

その後の懇親会では多くの病院の医師、事務担当者から声を掛けられました。
特に卒後臨床研修評価について質問をたくさん受けました。鹿児島県で第1号の認定であった事や私が鹿児島県唯一のサーベイヤーである事など評価を頂きました。
見学をさせて欲しいとの話もありました。

研修病院としての成長を徳洲会グループの中では評価されるようになりつつありますが、鹿児島県内でも評価して頂けるようこれからも頑張っていきましょう。


名前を呼びましょう。

2009年12月18日
名前を呼びましょう。
救急部長 木村圭一

イグノーベル賞と言うのをご存知でしょうか?東北の人が、「行ぐ?ノーベル賞?」と言っている訳ではありません。ノーベル賞のパロディーです。Wikipediaによれば、以下の通りです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/イグノーベル賞

「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞である。ノーベル賞のパロディ的な賞で、1991年に創設された。イグノーベルの名は、「ノーベル賞」に反語的な意味合いの接頭辞を加えたもじりであると共に、「卑劣な、あさましい」を意味する"ignoble"と掛けている。(引用ここまで)

日本人も沢山受賞しています。院長が好きな「バウリンガル」や「カラオケ」は平和賞、「たまごっち」は経済学賞を受賞しています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/イグノーベル賞日本人受賞者の一覧

前置きが長くなってしまいましたが、今年の獣医学賞がすごいです。「名前を付けて育てた牛の方が、名無しの牛より乳の出が良くなる」と言う研究です。

名前を付ければ愛着が増し、手間を惜しまず世話をするようになります。牛のストレスが軽減し、乳の出も良くなるそうです。実際、牛一頭で1日当たり1リットルほど増えることが確認されているそうです。

そうなんです!名前は大事です。私の使っているMacは、パソコン(ハードディスク)に名前を付けている人が多いです。大事に使っている証拠ですし、仕事の効率が上がります!!

職場でも同様です。看護師さ〜ん、薬剤師さ〜んでは良くありません。ちゃんと名前を(下の名前やメルアドまで把握しなくても良いですよ。○○君)呼ぶようにしましょう。当院の先生達は名前で呼んでいる人が多いです。

見学に来られた学生さんに対しても、「学生さん」ではなく、○○さん、と皆が呼んでいます。良い事だと思います。

それから、傍観者効果と言うのがあります。側に人がたくさんいるほど責任が不明確となり、大切な事が行われないと言うものです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/傍観者効果

誰か〜薬局に行って点滴とってきて〜
誰か〜明日の会議代わりに出てくれない?
看護師さ〜ん、ちょっと来て〜
誰か!誰でも良いから先生呼んで来て!!

では誰も助けてくれません。ちゃんと名前を呼びましょう。

でも名前が分からない事もありますよね。名札を見ようにもじっと見てはいけないし、、、、、私が以前使っていた方法を教えましょう。

「若くてきれいな看護師さ〜ん、オペ着着せて下さ〜い!!」と言うと「は〜い!」と言って多くの方が飛んできてくれます(クラス未確定)。

今度やってみてくいやん!


おかしいなと思う感覚は重要です

2009年12月16日
おかしいなと思う感覚は重要です
救急部長 木村圭一

おかしいなと思ったらすぐに対処すると言うのは非常に重要です。適切な例を思い出しませんので、古い話です。

今映画になっているJAL(日本航空:Japan Air Line)123便墜落事故ですが、事故の前から飛行中にトイレのドアが開かなくなるとか言う噂があったらしいです。事故の原因と関係があるかどうか分かりませんが、この点をきちんと追求していれば事故は防げたかも知れません。

医療の現場でも、おかしいなと思う感覚は重要です。臨床研修はこれを身に付けるために行うのだと言っても過言ではありません。実例を3つ紹介しましょう。

(1)LDHサブタイプ欠損症
私が学生時代に講義で習ったお話です。乳酸脱水素酵素(Lactate Dehydrogenase:以下LDH)のHサブユニット欠損症と言う病気があります。私の母校の先生達が世界で初めて報告されたらしいです。
難しい事は忘れましたが、私の記憶が確かなら(確かである確率は、、、、ゼロです!)LDHという酵素はM(骨格筋由来)とH(心筋由来)と言う部分があり、この組み合わせによって5つの種類があります。LDH1と言うのはHが4つで出来ていて、LDH2はH3つMが1つ、LDH5はMが4つだそうです(うちの院長はLDH1ですかね。マラソン好きなO先生はLDH5でしょうか)。
http://www.ops.dti.ne.jp/~noah/ketueki/LDHisoenzyme.html
見つかった経緯は次の通りです。ある時私の母校に心筋梗塞の患者さんが来られました。当時は多分トロポニンとかなかった(私が大学に入ったのは1986年。岡田由希子さんが亡くなった年です)でしょうから、白血球とかCRP、LDH等が重要でした(覚えさせられましたから、、、注)。しかし、その患者さんは、他の検査が上昇しているのにLDHだけ正常だったそうです。担当した内科(腎臓が専門だったそうです)の先生は、LDHも上がるはずなのに、、、、これはおかしいんじゃないか?と検査部に調べて欲しいと言って来たそうです。そして、この患者さんはLDHのHサブタイプ欠損症であると言うことが分かったそうです。すごいな〜と思った記憶があります。

(2)整形外科医が見つけた肺がん
整形外科に通院中の患者さんのコンサルトがありました。これは肺がんじゃないでしょうか?と言うのです。確かに指摘された肺のレントゲン写真を見ると腫瘍があります。検査をして手術をした所肺がんでした。単純レントゲンは見逃してもおかしくないぐらい小さく淡い陰影です。私が最初に見ていたら見逃していたかも知れません。
その整形外科の先生に、「先生すごいですね!!」と言ったら、「僕は整形外科医ですよ。分かる訳ないじゃないですか〜レントゲンを見た瞬間に何かおかしいと感じたんです。それで絶対何かあると思って見つけたので先生に紹介しただけ。それだけです。」と言われました。謙遜だとは思いますが、そういうセンスは重要ですね。

(3)子供の外傷
8歳の男の子が中央分離帯の近くで倒れていたと言う事で救急搬入されました。現場では意識がはっきりしなかったようですが、来院時は問題ありませんでした。大きな損傷はなさそうでした。冬だったので低体温もあったのかなと思い帰宅させようとしましたが、担当した研修医は、車にひかれたなら損傷があるでしょうし、そうでなかったら子供が中央分離帯の近くで倒れている(当時は大都会?で研修していましたので、鹿屋にはバイパスにしかない中央分離帯が多かったです)なんておかしいと思い、意識障害→中央分離帯の方へ自分で歩いて行ってそこで倒れたと考え、小児科の先生に相談しました。
精査の結果動静脈奇形があったようです。外科医になっても、内科的な知識も必要なんだよ〜とその先生はこの話を若い先生や学生さんにし続けているそうです。

あれ??と思った時には、きちんと調べるようにしましょう。

そして指導医はそう言ったおかしいんじゃないか??と言う感覚を持っていますので、指導医の言うことはちゃんと聞きましょう!

注 心筋梗塞の時の血液検査の上昇する順番と言うのが私の国家試験時代には重要でした。白血球、CK、GOT、LDH、と続いて、血沈が最後です。これを、、、、

最初白かった(白血球)シーツが、ABCの順に進んで、、、最後は赤くなる

と覚えました。どういう意味かは考えて下さい。もちろん皆さんが思ったことそのものです!私が考えたのではなく、本に書いてあったのです。今はこんなの試験に出ないんでしょうか?最初はトロポニンかラピチェックですかね〜。


都会では学べないもの

2009年12月12日
都会では学べないもの
救急部長 木村圭一

先日の研修医合同勉強会で、別の病院の先生が、下甑島(しもこしきじま)で研修したと言う報告をされていました。下甑島は全国的に有名な島です。「Dr.コトー診療所」のモデルとなった医師のがいる島です。

研修医勉強会の記事
http://202.133.118.29/trainee_doctor/archives/2009/12/post_260.php
Dr.コトーについて
http://ja.wikipedia.org/wiki/Dr.コトー診療所

そこで研修された先生のプレゼンも興味深いものでした。

5歳の男の子が足が痛いと言って来院されました。海に入って遊んでいたところ、急に痛くなったと言う事でした。担当の先生は骨折か捻挫だと思ってレントゲンを撮ろうと思ったのですが、瀬戸上先生は、「それはオコゼだ」と言われたそうです。

確かにその通りで、治療法は一般的な常識と異なり、温めるのだそうです。温めていたら泣いていたその子は泣き止んで、元気に帰って行ったそうです。

さすがDr.コトーですね!!

先日当院でもあったようです。大人だったので、まあ鎮痛剤で我慢すればよかったようですが、、、、温めてあげたら名医になれたかも??

オコゼの治療法について
http://rockymuku.sakura.ne.jp/syoukjou%20bunnruifunou/okozesisyou.pdf

田舎でしか学べない(もちろん都会でしか学べないものもありますが)ことがあります。是非遊びに来て下さい!


略語の解説その2(NNTについて)

2009年12月11日
略語の解説その2(NNTについて)
救急部長 木村圭一

NNTとはNumber needed to treatの略です。一人の人を治癒させるために何人の人に治療をしなければならないかという指標です。決してNTT(Nippon Telegraph and Telephone Corporation)の間違いではありません。

100%成功する治療というのはありません。例えば、インフルエンザワクチンを投与してもらうと、インフルエンザの発症率が10%から2%になるとします(ワクチンの効果が80%と表現することもできます)(本当の頻度は注を)。これだけでは意味がよく分かりませんよね。

これを別の言い方にすると、危険率が10%から8%減ったと言う事になります。これを絶対リスク減少と言います。1をこれで割ったものをNNTと呼んでいます。この場合1÷0.08ですから(8%は0.08です)12.5になります。約13人の人にインフルエンザワクチンを打ったら、そのうちの一人はインフルエンザワクチンのおかげでインフルエンザを発症しないですむと言うことです。12人は無駄うちです。打たなくても9割は発症しませんし、打っても2%は発症するのですから、、、、え〜そんな風なの???と思うかも知れませんがそうなんです。
もちろんですが、13人打っても必ずそのうち一人が意味があると言う訳ではありません。もっともっとたくさんの人に使って、割合として13人に一人ぐらいと言う事です。

そしてこのNNTが二桁というのは結構良い数字です。ワクチンの効果が同じ80%でも、何もしないと50%発症するのであれば、ワクチンを投与すると10%に減るので1÷0.4でNNTは2.5です。が、ワクチンを打っても1割も発症します。

別の表現をしてみましょう。

宝くじです。以下によれば、昨年の年末ジャンボ宝くじで2億円が当たる確率は1000万分の1だったそうです。
http://www.naxnet.or.jp/~rider/koramu/part1/jambo.htm#samja20

あるお店が2憶円のくじをたくさん出していると言う話がTVなどで報道されています。例えば、大隅鹿屋病院のお店が1000万枚くじを売って、10人が当選したと仮にしてみます。確率は100万分の1です。10倍当たる!!と言うことになります。
ですが、大隅鹿屋病院で買うことに意味があるのは、1÷(100万分の1ー1000万分の1)枚買ってそのうちの1枚です。これは、、、、111万1111枚を買うと意味があると言う事になります。
ですが当然、111万枚買ったとしても当たるとは限りません。1枚しか買わなくても当たる人もいるでしょうし、、、、

宝くじと治療が同じと言うのは不謹慎かもしれませんが、そういうものです。治療を考える場合、この宝くじと同じぐらいのNNTであれば、治療の意味は全くなく、大隅鹿屋病院の売店で(売ってませんよ!念のため)宝くじを買うことに意味はないと言う事になります。

ちなみに、こちらの方は、宝くじに当たるのは交通事故で450回死ぬのと同じ確率だと書いています。
http://ameblo.jp/tadashiohta/entry-10236570247.html

宝くじで夢を買っている皆様ごめんなさい。

こちら(http://rockymuku.sakura.ne.jp/EBM/suuzinosennsutotiikiiryou.pdf)も参考にしてみて下さい。

注 古いデータです(1999年)が、基礎疾患のない医療従事者にインフルエンザワクチンをうつと、インフルエンザの発症者がコントロール群13.4%だったのに対して、1.7%だったとのことです(PMID10078487)。

注 コントロールとは何の治療もしていないとか、偽の薬を投与したとか、そう言った人たちです。コントロールをきちんとしていないと本当にその治療に効果があったかどうか分かりません。インフルエンザワクチンを打った人と,何もしていない人を比べると、ワクチンそのものの効果かも知れないし、ちくっと針を刺したことに意味があったかも知れませんし、きれいな看護師さんに優しく声をかけてもらった事が良かったかも知れません(^_^)。この研究の場合には、コントロール群に対して別のワクチンか偽のインフルエンザワクチンを注射しています。

同じ指標で、NNH(Number needed to harm)というのもあります。何人の人にこの治療を行うと、一人の人に副作用などが起こるかと言う指標です。計算は同じです。


初めての試み

2009年12月9日
初めての試み
教育管理部 臼井之枝

今週の月曜日に、ERのスタッフと関係医師とのカンファレンスを行いました。
CISD(Critical Incident Stress Debriefing)というものだそうです。
日本語訳は、緊急事態ストレス・デブリーフィングというそうです。
「災害直後に体験の内容やその時の感情を救済者や被災者に表現させる」すなわち、体験などを共有することで、外傷後ストレス障害(PTSD)を初めとするト ラウマ後の心理的後遺症の発症を予防するという考え方に基づいている、米軍の救急隊が開発し、良く知られるようになったそうです。
って書いていますが、当日、木村先生が配布してくださった資料をそのまま書きました(^_^;)

まず、なぜこれを行おうとしたのか・・・
先週の金曜日に、つき1度の研修医面談がありました。
江口先生の面談の中で、色々と話をしているうちに「やりましょう」ということになりました。

医師が6名、看護師8名、安全管理看護師1名と私を含め16名でのカンファレンスとなDSC01337_thumbりました。
目的としては、
・緊急事態に対応したスタッフが集まる
・緊急事態で感じた精神的ストレスを解消するのが目的
・反省会ではない、建設的フィードバックをお願いする
というものでした。
私は、難しい病名や医療のことは分かりませんが・・・・

ここで確認出来たことは、私的レベルでは。
コーディネーターの役割の見直し
思い込み診療は絶対にしてはならない
看護師も医師も同様だが、軽はずみな一言を言わないようにする
と、いった内容のものだったのではないでしょうか?

木村先生がおっしゃっていた通り、学術的な話よりも、その時の気持ちを話し皆で共有するという形に少し近DSC01336づいている気がしました。
初めての試みにしては、とても有意義に出来たと思いました。

参加した方々からは、これからも続けて、救急隊や他のスタッフなども参加出来るようにしていきたいという声も出ていました。
そうなるように、月1回ペースで行えたらいいなと思います。

本当は、江口先生が書く予定でしたが・・・
なかなか忙しいようで、私が書いてしまったので上手く伝わらないと思いますが・・・
スタッフ全員が、患者様を助けよう、良い医療を提供出来るようにしよう、スタッフ同士が協力してスムーズな診療が出来るようにしたいと思い日々、仕事をしているという感じを受けました。
私は、一人部署で仕事をしているせいか、とても「仲間」が羨ましく思えました!

これからも、みんなで力を合わせて頑張りたいですね。
忙しい中、集まって頂いてありがとうございました。


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