誰も教えてくれなかった診断学

2009年9月28日
誰も教えてくれなかった診断学
研修委員長 田村幸大

9月26日に大阪で「診断学セミナー」を受講して来ました。
参加者は大阪で開催されるだけあり、関西圏からが中心で九州からの参加は私一人だけでした。

時間とお金をかけて大阪まで行ったのは、「誰も教えてくれなかった診断学」という本の著者2人の生レクチャーを受ける事が出来るからでした。
http://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=18870

blog090928-1 レクチャーの内容は基本的に本の内容に沿ったものでしたが、研修医や医学生を対象に実際にカンファレンスをやっている場面を見る事が出来ました。
2人ともカンファレンスの進め方が上手い!
実際の現場で使える内容盛りだくさんでした。

ちなみに何か難しい症例や珍しい症例を当てるという手段では無く、如何に日常診療で出会う多くの疾患を見落としなく速やかに診断を進めていくのかという手段です。

blog090928-2 「誰も教えてくれなかった・・・」と書かれている通り、私自身もその思考過程を誰かから習った訳でも無く、経験を重ねていく中で自然に身についている感覚でした。自然に身について来た物なので、後輩達に教える事も出来ずにいました。教えるのが嫌なのでは無く、自然と身についた物だから、上手く言語化して伝えられていなかったのだと思います。例えば子供の頃に意識せずに覚えてしまったお箸の使い方を外国人に教えるのが、難しいのと同じかと思います。

そんな中で、その思考過程を言語化している事、しかもそれが非常にわかりやすく書かれている事を考えると、この本は秀逸です。

臨床経験が少ない医学生には少しイメージがわきにくい点が多いかと思いますが、臨床研修のスタート地点でオリエンテーションとして読んでもらいたい本の一つです。臨床経験を重ねた先輩達の思考過程が少し見えるようになると思いますし、日々の研修を乗り切る糧にもなると思います。

また、後期研修医も読んで勉強になる点がたくさんあります。なぜなら、しつこいようですが「誰も教えてくれなかった・・・」事項がまとめられているからです。

指導医も勉強になります。臨床経験を重ねて自然に身に付けた事を言語化して後輩達に伝える事が出来るようになるからです。

という事で全ての人にお勧めです。