時をかけるアイロン

2008年12月8日

時をかけるアイロン

外科(修行中)有馬 喬

今年は7~9月に孤独の循環器内科医(当時)古賀先生の率いる(もっとも、孤独なので率いる者は誰もいなかった訳だが…)、
循環器内科にいて夏休みが取れなかったため、12月の頭にちょっと休みを頂いた。

この時期に休みを取って、当直や夕診の関係で、他科の先生には若干迷惑をかけてしまい申し訳なく思っている。

そんな一時の休みを利用して部屋の大掃除をした。

何ヶ月も触ってすらいない雑誌、プリント、DVD等とそれに纏う埃たちとの戦いは壮絶なものであった。

そんな中、ほとんど座ったことの無い机の下に、独り寂しげな顔をしてたたずむアイロンを見つけた。

学生時代、かつて僕の体脂肪率は一桁台、BMIの22なんて雲の上の存在であった。

おそらく今の3割引くらいの見た目であったと思われる。

今となっては想像もつかないと思われるが、これは紛れもない事実である。

先日実家に帰った際、父上の奥さんである母上はこう言い放った。

「最近ますます肥えて、生まれた頃にそっくりね。」

生まれた頃の自分に似てきたとは一体どう解釈すべきなのであろうか。

原点回帰?

…。

格好いいのか悪いのか全くもってよく分からない。

僕は有馬家の長男である。

従って彼女にとっては初産の子であった。

聞くところによると、初産婦とは思えない時間で出産を終えていたらしい。

生まれながらにして母体に負担をかけないという稀代の親孝行であるはずの僕に、なんて事を言うのだと思った。

話を戻すと、その寂しげな顔でたたずむアイロンは学生時代によく使っていたアイロンである。

当時は冬でもシャツとジャケットのみという極めて薄着をしていたのでよく風邪を引いていた。

…というのはどうでもよいが、最近全く使わなくなったアイロンを見ているとある思いが自分の中にあることに気が付いた。

もう一度、あの頃着ていたシャツを着てみたい。

そうなればこのアイロンもまた陽の目を見ることになるだろう。

かつて僕の不注意で、僕の神の手(いずれそう言われるであろう)に火傷を負わせたこともあるが、憎めない奴である。

さあ、もう一度二人であの頃の栄光を。笑

というわけで「緊急ダイエット計画」なるものを思いついて、今年の夏休みは幕を閉じたのであった。

しかし、これから怒涛の忘年会シーズンに突入することに有馬先生はこの時、まだ気付いていなかった。。。