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Oosumi Kanoya Hospital

知っておきたい病気の話

vol.9 気管支喘息について/【内科】劉 孟儒


喘息が身近な疾患になっていますが以前の誤った認識のままの患者様がまだ多く、たびたび重症化を繰り返す人もいます。吸入ステロイドの普及で以前より死亡例が減少しましたが、それでも日本においては毎年3000人以上の人々が喘息によって命を落としています。

気管支喘息の特徴

・ゼーゼー、ヒューヒュー(喘鳴)・息苦しくなる(呼吸困難)・胸が重い感じ・咳や痰
・発作は、特に夜間から早朝にかけて多く起こります。
・季節的変動(秋や季節の変わり目)がきっかけで起こることがあります。
・ホコリなどの粒子、刺激物質(臭い・タバコの煙)・冷たい空気やストレス・運動・風邪(ウィルス感染)などが発作の誘因となります。
・重症化することもあり、〝喘息死"することもあります。

以前、喘息は気管支が収縮したり痰が詰まったりして、気道が狭くなる病気と考えられており治療は、ただ気管支を広げることだけ行われていました。しかし1980年以降、様々な刺激に対して気管が敏感な状態(気道過敏性)が喘息の本体であることが分かりさらに気道の狭窄や気道過敏性は、気道の慢性的な炎症により起きることが多くの研究から分かっています

喘息の病態

(図1)は正常な気管支の断面図です。個人の喘息発症リスク(遺伝、環境因子など)が重なり、喘息が発症すれば、気管支の粘膜がむくみ、気管支壁内にある筋肉が収縮する→内腔が狭くなる→喘鳴症状が出現する。(図2)
この時点で適切な治療を行えば、比較的はやく症状を軽減することができます。よく使われる薬には、
①長時間作用型の抗炎症薬や気管支拡張薬(主に吸入ステロイド)
②即効性の吸入気管支拡張薬

しかし、抗炎症作用のない即効性の気管支拡張薬のみ頻回使用することや、気管支を刺激する因子(タバコなど)にさらされ続けると炎症が治まらず、長期にわたってこれが続くと気管支が変質してしまいます。(酷使し続ける手の皮膚にタコができるのを想像して下さい)そうすれば気管支壁が硬くなり、十分に拡張できず、薬剤を投与しても効果が限られてしまいます。この状態で発作が重なると、重症の発作(気管支喘息重積発作)となります。(図3)

このように喘息は、ただ気道の収縮(発作)を繰り返すだけの病気ではなく数多くの研究から、様々な気道の炎症細胞(色々な白血球)を中心とした慢性の気道炎症がもとになって喘鳴症状が起きることが明らかになっています。よく病院の外来で、〝喘息によく効くスプレーの薬.と注文する患者様がいますが、実はただ気管支拡張薬の即効性を〝有効.と思い込み、効果発現の遅い抗炎症薬を〝弱い薬.と誤解されています。その結果、少しずつ気管支の変性が進み、重症の発作に繋がります。

喘息の治療方法

重症発作時は入院管理が必要です。投与される薬剤は軽症重症にかかわらず、

①長期管理薬→長時間作用型の抗炎症薬や気管支拡張薬(主に吸入ステロイド)
②発作治療薬→即効性の吸入気管支拡張薬

などの二つに分けられます。一般に喘息発作時受診される場合、素早く効果を見せるのは②の気管支拡張薬です。病院の外来では、機械に管をつないで霧状の薬品を口や鼻から吸入したり携帯式のスプレー缶のタイプもありますが、しかしこれはあくまで〝発作時の治療.なので、根本的な治療の抗炎症作用はありません。炎症抑制効果はステロイド薬が最も有効です。現在一番効果が高くかつ副作用も少ないのは吸入ステロイド剤です。喘息治療ガイドラインでは長期管理薬として第一選択薬として用いられます。

治療目標の設定

・ ピークフロー(最大呼気速度)という、息を吐く能力の回復が喘息の治療目標である。
ここまで、喘息に対していかに抗炎症治療が重要か述べました。しかし患者様からすれば、〝発作時以外の時も治療が必要.であることはなかなか実感しがたいです。なぜなら「発作がないから症状もない、どうやって炎症があるかどうかが判るの?」という思いが治療を中断しやすい一番の原因ではないでしょうか。人間の〝苦しい.という感覚は慣れれば麻痺するもので、慢性の喘息状態になると、段々苦しさもわからなくなります。そこで、息を吐く早さと能力を表すピークフロー値の測定で気管支壁の状態を数値で測定し、客観的に喘息の状態を把握する方法をお薦めします。これは、簡単な道具で手軽に繰り返し行えて、自宅でもできます。ピークフロー値を測ることで、自分の現在の気管支の〝硬さ、狭さ.が判り、自覚症状がなくても、抗炎症薬を使う必要があるかどうかを判断できます。喘息の治療目標は、「発作が出たとき素早く治す」では無く、「発作を起こしにくい体質になる」です。そのためには、お薬を正しく服用する事も必要ですが生活習慣の改善も怠ってはいけません。発作を繰り返す患者様は一度、医師にご相談されてはいかがでしょうか。

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