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トップページ > 患者様向け情報 > ヘルスインフォメーション > 知っておきたい病気の話 > vol.18 内痔核を切らずに治す治療法/【外科】利光 鏡太郎

Oosumi Kanoya Hospital

知っておきたい病気の話

vol.18 内痔核を切らずに治す治療法/【外科】利光 鏡太郎

肛門の少し奥には肛門を自然に閉じるための血管に富んだ柔らかい部分があります。肛門への負担(排便時のいきみ等)が大きくなるとその血管は太くなり、蛇行し、静脈瘤(静脈がこぶ状に膨らんだ状態)のようになります。これを痔核(いぼ痔)といいます。徐々に大きくなると出血を起こしやすくなります。さらに長く放置すると痔核はさらに大きくなり、支持している組織が引き伸ばされ肛門の外に脱出するようになります。これが脱肛です。痔核には、奥の方にできる内痔核と、外の方にできる外痔核があります。内痔核が大きくなって脱出するようなると外痔核を伴って内外痔核という状態になります。

内痔核は痛くはありません。痛みの神経がないところにできるからです。一方外痔核は痛みの神経があるところにできるために痛みを伴うことが多々あります。内痔核は初期の症状は全くありません。粘膜(上皮)が傷ついて初めて出血します。真っ赤な出血です。大きくなると脱肛(外に脱出)するようになります。ここで初めて気がつきます。自分は痔主だと。地主ならいいけど痔主は困ります。私もいやです。家族も相続したがりません。
脱肛すると痛みを伴うことが多いようです。できるだけ中に押し込んでください。痛みは若干和らぎます。お風呂で温めるとさらに楽になるようです。一度試してみて下さい。

内痔核は進行度によって以下のように分類されます。

1度 脱出のないもの。症状は出血のみ。
2度 排便時に脱出するが、自然に肛門内に戻るもの。
3度 排便時の脱出が自然には戻らず、指で押し込まないと戻らないもの。
4度 脱出したままで戻らないもの。

自分には痔はないと思っていても1度の痔核はたいていの人にあります。知らぬが仏というところでしょうか。痔核は人にしかできず、立って歩く人間の宿命といわれています。それだけ無理な姿勢なのか、直接肛門に圧がかかってしまうのか。

内痔核の治療には薬物療法、手術療法、注射療法があります

薬物療法

治療薬には「坐薬」「塗り薬」「内服薬」の3種類があります。坐薬と塗り薬には、抗炎症作用や止血作用や鎮痛作用があります。また、内服薬は、便を柔らかくする緩下剤や消炎剤が治療に使用されます

手術療法

一般的に行われているのが結紮切除術という術式です。あらゆるタイプの痔核に対応可能です。術後、完治するまで約6週間かかるといわれています。

PPHといって自動吻合器を使った手術が一時期はやりましたが、侵襲が大きすぎるとの理由で最近はあまり行われていません。

輪ゴム結紮療法は特殊な器械を使用して痔核に輪ゴムをかけて結紮し約一週間で脱落させる方法です。外痔核部分には痛みが生じるためできません。また硬すぎる痔核や小さすぎる痔核だと結紮しても脱落してしまうため適応がありません。以前はよくやっていましたが、そういえば今は全然やってないなぁ。

注射療法

昔から注射療法は行われていました。効果に永続性がなく1年以内の効果でした。また、出血には効果がありましたが脱肛には無効でした。

ここで本題に入りたいと思います。5年前に日本で画期的な注射療法が生まれました。その名をジオン四段階注射法(専門家のあいだではALTA療法と呼ばれています)といいます。当院でも3年半前から行っています。今では痔核の7〜8割はこの治療法を採用しています。

手術と同程度の効果があり、痛みも少なく、出血する可能性が極めて低いという夢のような(言い過ぎ?)注射療法です。その成分は硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)とタンニン酸(ファイトーイッパツーのタウリン酸ではない)というものです。前者は出血症状や脱出症状を改善し、後者はその副作用を軽減するそうです。適応は脱肛を伴う内痔核です。脱出した内痔核をもとの位置にもどして、癒着、固定して脱出させなくします。効果は半永久的だといわれています。したがって4度の痔核には適応はありません。戻らない痔核に注射すると脱出したままでそこで固まってしまいます。同じ出っ放しなら柔らかいほうが硬いよりもましだということです。また、1度(出血のみ)の痔核にも使いづらいです。出血は大きい痔核から出血するとは限りません。注射する際には大きい痔核から注射します。小さい痔核には注射しません。全部の痔核に注射するとなると大変な量になってしまいます。注射量は副作用(腎臓に負担がかかる)の点から限られています。大きな痔核をつぶしたと喜んでいても、小さな痔核が傷ついて出血したら説得力に欠きます。もう1度いいますが、適応は脱肛を伴う内痔核です。進行度分類では2度、3度となります。

そうはいってもこの世のなか、そうは問屋が卸しません。良いことばかりじゃありません。この注射療法には重大な合併症があります。肛門の周りの筋肉(肛門括約筋)に注射したり、適切な部位でも注入量が多すぎると合併症が起こります。潰瘍、狭窄(狭くなる)をおこします。それを避けるために一般的には注入量を少なくします。そうするとあまり効きません。少し脱肛が残ります。自分は小心者ですので以前は注入量が少なめでした。いろいろ御迷惑をかけた患者さんがいます。日々努力をかさね、3年半前よりも成長したと思っています。

今では痔核をみて瞬時に注入量を判断します。そこで一気に注入していきます。以前に比べたらかなり納得できる効果をあげていると思います。そうそう、この治療法は一ヶ月あけると何回でも施行できるという利点があります。今までに3人程2回行いました。大変御迷惑をおかけしました。この場をお借りして深くお詫びを申し上げます。

痔核で苦しんでいる方はたくさんいらっしゃると思います。なかなか他人には相談できないと思います。幸い自分には痔核はないと思っているので本当の苦しみはわかりません。
しかし、苦しんでいる患者さんをたくさん診てきました。悩み事はみんなで悩んだほうが早く解決します。ぜひ私の外来を受診して下さい。


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